2009年 12月 30日
お椀の日本酒。 |
とにかく日本酒が飲みたくなって。
そう、もちろん湯豆腐も。
主人公の月子さんが道に迷うくだりがあります。
センセイとの心地よい距離感からはぐれてしまったら、
恋になってしまっていた、のかな。
でも、センセイ、いたんです。その迷った道の途中に。
ちゃんと、いて、声をかけてくれたんですよね。
ふらりと、散歩をしていたんですって。
あ、そうか。
真っ白でほろほろとくずれていく湯豆腐のような月子さんと先生の恋だとして。
日本酒のようにじんわりと体に温かさが沁み渡る読者の私。
季節の描写も本当に美して。
素敵な小説です。
*
「そんなわけで」
「はい」
「ワタクシと、恋愛を前提としたおつきあいをして、いただけますでしょうか」
-川上弘美・センセイの鞄 より-
*
by et_coron
| 2009-12-30 16:22
| 本のこと。